01 世界規模の真珠取引。ダイナミズムとスピード感を間近に。
ヨーロッパやアメリカなどのバイヤーも来られますが、特に多いのは中国ですね。
中国には広い国土の中に真珠の取り扱い業者が集まる地域がいくつもあり、1つの拠点でも数えきれないぐらいの真珠業者がいます。「真珠城」という大きなマーケットもあるぐらいなんです。
これまで中国で真珠といえば雑貨やアクセサリーに使われる淡水真珠でした。でもこの15~20年ほどでアコヤ真珠をはじめとする海水真珠が流通するようになり、アコヤ真珠=ジュエリーという認識が広まってきています。
そんな中でも当社の強みはやはり取扱い量の多さと品質ですね。特にアコヤ真珠の仕入れ量は業界一位ですから、香港ショーでも大口の注文を受けることも多くあります。
特に中国のバイヤーの購買意欲はすごくて、買い方も豪快。パッと商品を見ただけで「これ全部下さい」となることも多いんです。
私は売上や入金管理を担当していますが、一度の取引で驚くほどの現金が飛び交うこともあり、お金の管理にとても気を使いますね(笑)。
02 海外ならではの出来事に触れて
私は入社してすぐに香港ショーに参加しました。私は中国出身なので中国語は話せても、まだ真珠については何も知らない段階でした。
僕もY.Kさんと同じ。だから最初は接客・販売から見よう見まねではじめて、徐々に商品の準備や輸送業者との連絡、出展手続きなど、周辺業務もするようになってきました。
O.Hさんは皆に「店長」と呼ばれて頼りにされてるんですよ(笑)。
私は入社以来ずっと加工部で、今もアコヤ真珠のネックレスをつくったりしています。普段は販売したり、顧客に直接接することがない分、香港ショーではじめて注文をいただいたときの嬉しさは今も覚えていますね。ちなみに、O.Hさんは今まで何回ぐらい香港に行っているんですか?
20~30回ぐらいかな。滞在中はやっぱりおいしい中華が楽しみ。
もともとイギリス領だからパンもおいしいし、青島ビールも安くてうまいですよね。
最終日の夜に乗ったフェリーからの夜景も素敵でした。
一方、海外ならではの予期せぬトラブルもあります。
私はシステム室の一員として、現地から神戸本社の社内ネットワークにアクセスし、売上や入金処理をリアルタイムで行う業務を担当しています。ちょっとした設定のズレなどでうまくつながらないこともあったのですが、本社の上司に連絡をとりながら、なんとか対応できました。それ以来、下準備・確認は徹底した上で臨むようになりました。
毎年香港ショーに行くようになって海外との商談になれたというか、少々のことでは動じなくなった気がします。あと、初めの頃は目先の仕事で手一杯でしたが、コスト意識がついたようにも思います。例えば今回のショーの経費はいくらで、そのためにはいくらぐらい売り上げないといけないのか、経費を省ける点はないのか、という考え方をするようになりましたね。
私も、最初は部分的な業務からはじめて、徐々にプロジェクト全体に関われるようになりました。最初の準備や現地での商談、日本に帰国後も顧客とのやりとり・提案は続きます。香港ショーを起点とした一連の流れを意識しながら仕事をするようになりました。
私は、やはりトラブル時の対応力が身についたと感じています。社内であれば先輩・上司が助けてくれても、遠隔地からの業務では極力自分一人で完結させなければなりません。以前は、不測の事態があれば頭が真っ白になるような傾向があったのですが、今は何かあってもなるべく冷静に、落ち着いて対応しようと思えるようになりました。
加工部員としては、香港ショーという販売の現場で、自分がつくった商品がどう評価され、どのように売れていくのかを直接見られる経験は得難いと感じています。世界のバイヤーとの商談の中で得たものは普段の商品づくりに活かせますし、仕入れ部門にフィードバックすることもできますから。また、数多くのバイヤーとのつながりをもてることで、自分の視点、見聞が広がったように思います。
私は入社3年目から香港ショーに参加しています。当時はすでに中国マーケットが存在感を増しつつある時期。開催期間中に売上をつくることも大事ですが、それよりも世界中から集まる有望なバイヤーとパイプをつくり、新たな取引関係をつくることが香港ショーの目的です。